生産管理

全体の中の位置付けを念頭に
目的意識を持つと仕事はもっと面白くなる

製造部・調製課
高田氏

 マナビスの化粧品は製造から出荷に至るまでのすべての作業を浦安市にある自社工場で行なっている。製造過程は「秤量」→「調製」→「充填」→「包装」という主に4つの工程に分けられる。そのうちの最初のふたつの工程を受け持つのが製造部調製課だ。

―――高田さんが所属されている製造部の調製課というのは、秤量と調製のふたつを司っていらっしゃるのですね。

 そうです。秤量と調製というのはごく簡単にいうと「量る」「混ぜる(造る)」という意味です。製品のアイテムごとに「指図書」(料理でいうところのレシピ)があって、化粧品の素となる原料をその指図書どおりに量り取るというのが第一段階です。

―――そうなんですか!

 一斗缶てわかりますか? 1缶がだいたい18kgなんですが、それを持ち上げて量り取るんです。もちろんすべてが一斗缶に入っているわけではなく、固形原料もあります。量る道具もロードセル(調製設備に内蔵されている荷重センサー)だったり天秤だったりいろいろです。一度に扱う量が大きいのですが、ここで量にミスがあるとすべてがダメになりますから、「きっちり」という意識が大事ですね。

―――そして次に、量った原料を混ぜ合わせるのですね。

 はい。化粧品の原料はごくごくざっくりいうと「油」と「水」に分けられます。「油系」「水系」の原料をそれぞれの釜に投入します。水と油は混ざらないものの代表ですから、ただ混ぜてもダメなんです。仕上がりが液体なのかクリーム状なのか、どのくらいの固さなのか。混ぜる順番や温度、時間など、ひとつでも間違うと狙いどおりのテクスチャーにはなりませんし、結晶やオリが出てしまったりもします。そこがまさにノウハウと言えるでしょう。

―――量るのは手作業。混ぜるのは機械なんですね。

 そうです。私は今は「秤量」をメインにやっているのですが、この部署に来てようやく一年なので、まだ全てのアイテムを習いきれてはいないんです。アイテム数も多いですから、一人前になるにはまだまだ時間がかかりそうです(笑)

―――調製課の前は何をやってらっしゃったのですか。

 品質保証部で出来上がった製品の検査の仕事をしていました。この検査の仕事はひとつひとつ、結果が数字として出てくるので、良いも悪いもはっきりしていました。調製の仕事も、のちのち製品として出来上がったときに、検査の段階で結果がはっきりと出ます。だから緊張感もありますし、達成感もありますね。

―――なるほど。自分のやっている作業がどこに繋がっているか。そこを意識すると仕事は面白くなりますね。

 私はこの課に来て調製の技術を身に付けている最中ですが、普段は指図書を確認しながら作業をしています。でも、ただ指図書に従ってやっているだけと思われがちですが、そうではありません。例えば新製品が出てきたときには、試作の段階で指図書に修正を施す必要が生じることも多いんです。そんなときには、やはりこれまでの経験が活かされます。いつも見ている指図書や、普段の作業の中にもそういう時のヒントはたくさん隠されていて、そこが面白いので、この仕事にとてもやりがいを感じています。

 漫然と作業するのではなく、日々、目的意識を持って取り組むと仕事はより面白くなる。高田さんのお話からは化粧品の「製造」という仕事の奥深さが見えてくる。